里山保全活動において伐採した竹を竹製品に資源化、竹の循環システムを目指す取組み

■佐賀県基山町と当団体について

佐賀県基山町は佐賀県の東部、三養基郡に属する人口約17,000人の町です。

日本植林発祥の地である基山町は、人工林の荒廃によりこの３０年間で竹林面積が約６倍(約300ha)に急増しており、森林の持つ多面的機能が阻害され、住民の生命・財産を脅かすとともに豊かな景観の保全も難しくなっています。

特定非営利活動法人「かいろう基山」は、そんな基山町を中心に里山の保全と地域活性化を目指すNPO法人です。

団体名の「かいろう」は快老・快(皆)労・快(皆)朗に由来し、高齢者自らが積極的に健康を維持し、老いを楽しみながら地域社会に貢献できる事業を行っています。

その活動に対しては、2024年、第18回「みどりの式典」において、国土交通省からご推薦いただき「緑化推進運動功労者内閣総理大臣表彰」を受賞しました。

 ■活動内容について

活動の柱は、環境保全活動、子どもの健全育成、経済活動の活性化、まちづくりの推進の4つです。

○環境保全活動

孟宗竹に侵食された里山の再生を目指し、荒廃した里山に入り、枯れた竹を持ち出し、竹の伐採や広葉樹の植樹、育樹等の活動を行っています。

これらの活動を通じて、災害に強い森林の整備や生物多様性の回復、水源涵養機能の向上を図っています。

 また、竹伐り・下草刈り体験など、地域の方と一緒に里山保全活動を行うイベントも実施しています。

○子どもの健全育成

子どもたちに自然の大切さを伝えるため、竹伐りや筍掘りなどの体験型イベントを実施しています。

これらの活動を通じて、子どもたちは里山の魅力や自然環境の変化を体感し、環境保全への意識を育んでいます。

○経済活動の活性化

伐採した竹は、竹チップ、竹パウダー、竹炭や竹酢液などに、里山から持ち出した枯れた竹は、竹炭などに、竹製品として加工・販売（資源化）しています。

また、資源化した竹チップと竹炭を混ぜた堆肥「基山の力」をつくり、野菜作りの土壌改良剤や生ごみコンポストの基材として、加工・販売（資源化）しています。なお、この堆肥は、2025年3月、佐賀県FUNBAL（ふんばる）堆肥コンクールで最優秀賞を受賞しました。

これらの竹製品を販売することにより、 収益があげられる事業と発展させ、その収益を里山保全事業に活用していこうという「竹の循環システムの構築」を目指しています。

○まちづくりの推進

里山の保全活動に地域住民の力を借りるため、森林ボランティアリーダーを養成するため、「育林市民力養成講座」を開講しています。

また、地域イベントへの参加や広報活動を通じて、自然の大切さや里山保全の重要性を広く伝え、里山の機能を再生することにより、持続可能なまちづくりを推進しています。

■現地視察プランについて

現地視察プランでは、まず、当団体の現在までの取り組みについて、ご説明をさせていただきます。

その後、実際の作業を見学していただきます。

作業の体験ご希望の方は、オプションから選択ください。

里山の保全活動だけでなく、環境・エネルギー分野に興味のある方も、是非、参加して下さい。

皆さまからのご参加お待ちしております。